お口と全身疾患は
つながっています

歯周病やむし歯は、歯の健康だけに関係だけではなく、全身の健康に大きく関わっています。
歯が悪い状態だったり歯を失ったりしたことで、栄養補給が十分にできなくなっていく、ということもありますが、むし歯や歯周病の細菌が口腔内で繁殖していると、血管や肺に侵入することで重篤な病気に繋がることもあります。
お口の中をできるだけ清潔に保つことは、健康に生きていく上で非常に重要なことなのです。
口腔ケアが大切な理由
お口の中のケアをこまめに行って清潔に保つことは、身体の健康を維持していくうえで非常に重要です。
ここからは、口腔内の環境を保つことの意味を、具体的な例をあげながら解説していきましょう。
噛むことの意義
- むし歯のリスクを下げる
- しっかり噛んで食事をすることは、歯並びを悪くすることを防止する機能を持っています。歯並びが乱れるとブラッシングがしにくくなり、むし歯や歯周病のリスクが上がります。
- 脳の発育を促し、老化を防止する
- 噛むことは顎を通じて脳に刺激を与えますから、脳の老化を防止することにも役立っています。そのため、歯を失うことは脳の老化に繋がりやすくなるとも言えます。
- 運動能力を発揮する
- 瞬間的な動きをするときや力を入れる時に、噛みしめることは重要な役割を果たします。また、噛み合わせのバランスが崩れると全身のバランスにも影響を与えることが分かっています。
口腔ケアの効果
- むし歯・歯周病を予防する
- しっかりお口の中をキレイにする行為は、口腔内で細菌が繁殖することを防止してくれるので、むし歯や歯周病などのお口の中のトラブルを予防することに繋がります。
- お口の機能の維持および回復
- 口腔ケアは歯の健康を保って咀嚼(そしゃく:食べ物を噛みつぶすこと)する能力を保つだけでなく、嚥下(えんげ:のみこむこと)障害を防止することに役立ちます。
- 全身疾患を予防する
- 歯周病の炎症があるほど血糖値のコントロールがしにくいので、糖尿病の状態が悪化しやすくなります。また、口腔内の細菌は心臓疾患や誤嚥性肺炎などに繋がる場合もあります。
- QOLを向上させる
- 口腔内の機能がしっかりしていれば、食事を楽しむことができますし、会食などのストレスもないので社会性の維持に繋がり、QOLを向上させてくれます。
- コミュニケーションを円滑にする
- 口腔内の機能が悪くなると発音しにくくなることから、会話を通じたコミュニケーションに支障が出る場合があります。
噛み合わせは
全身に影響を与えます
歯は一本ずつで機能しているのではなく、噛み合わせを通じて全ての歯で機能しています。噛み合わせのバランスを保つことは食事の際に必要なだけでなく、全身の健康に大きく関わっていることが知られています。
そのため当院では、むし歯の治療をする際もその部分だけでなく、口腔内全体の噛み合わせのバランスを考慮した治療を常に心がけています。
ここからは、噛み合わせの重要性について解説していきます。
噛み合わせと身体の関係
「噛み合わせ」は実は脳にも大きな影響を与えていますし、全身の筋肉などにも密接にかかわっています。
そのため、歯を失うなどの何らかの理由で噛み合わせのバランスが狂った場合、単に噛みにくい・食事がしにくいというだけでなく、人間が生きていく中で行っている非常に多くのことに支障をきたす可能性があります。
噛み合わせの乱れから生じたひずみによって招かれる可能性があるトラブルには、次のものが挙げられます。
- 肩こり・首筋・背中の痛み・頭痛
- 寝起きが悪い・疲れやすい・倦怠感がある・食欲がない
- 手足の冷え・肌荒れ
- のどの痛み・風邪を引きやすい
- 鼻炎・アレルギー
- 生理痛・生理不順・頭痛
- 貧血・めまい・たちくらみ など
一見、噛み合わせと関係が無いような身体の不調についても、原因を追究していくと「実は噛み合わせの悪さから来ていた」ということは少なくありません。
しかし、噛み合わせの悪さを自分自身で感じ取ることはなかなか困難です。そのため、歯科医院を定期的に受診し、噛み合わせのチェックや調整をしてもらうことをお勧めします。
噛み合わせチェック
自分のお口の噛み合わせは、鏡があればセルフチェックをすることができます。
以下のチェックをしてみましょう。
Step1 正面から
上下の歯を奥歯までしっかりと噛み合わせ、「イー」という状態で正面からチェックします。
- 前歯の中心が上下でズレていないか?
- 上下の前歯のどちらかが、もう片方の歯に覆いかぶさっていないか?
- 歯と歯の間にすき間はないか?
Step2 横向きになって
背筋を伸ばした姿勢で鏡の前に横抜きに立ち、横からもチェックします。
- 上下の歯の間に、すき間はできていないか?
- 上下の前歯のどちらかが、もう片方の歯より前に出ていないか?
- 鼻の頭と顎を一直線に結んだ線より、唇が突き出ていないか?逆に極端に引っ込んでいないか?
Step3 全体を見て
最後に大きく口を開けて、全体の歯をチェックします。
- 上下の歯がそれぞれ14本ずつそろっているか?(大人の場合)
- 歯の数は多くないか?逆に少なくないか?
- 親知らずは生えていないか?
Step4 その他
- 口を開けたり閉じたりした時、顎がガクガクしないか?
- 40mm(指3本分)開けることが出来るか?
- まっすぐ開いてまっすぐ閉じることが出来るか?