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クリニックブログ

洗口液に配合される殺菌剤について

スタッフブログ

みなさん初めまして10月から入職いたしました歯科衛生士の磯村と申します。

今後とも宜しくお願いいたします。

 

私は大の阪神タイガースファンなのですが、38年ぶりにAREのAREしたので、

昨年の11月末に大阪まで優勝パレードを観に行ってきました。

 

以前セルフケア用の洗口液などを取り扱う歯磨剤メーカーで勤務していたのですが、

当時上司としてお世話になり今も親交のある尊敬している大先輩とコロナ渦以降に久々に再会でき、あっという間に楽しい時間が過ぎました。

 

昼過ぎから梅田を出発し、歩いて淀屋橋まで行ったのですが、既に阪神ファンでいっぱいでした。

少しでも近くで観ることができそうなところまで行こうと、思い出話に花を咲かせながら、本町の手前まで歩きました。

当時、本町に住んでいたので懐かしく感じました。

 

パレードが始まり、岡田監督を始め、平田勝男ヘッドコーチ、森下選手などスタメンの選手を混乱もなく間近で見ることができ、

行ってよかったと思える体験ができました。

AREしたての大阪からパワーをもらえました。パワースポットみたいでした。

今年もARE GOES ON することを願って応援したいです。

 

洗口液に配合される殺菌剤は様々な種類があり、それぞれ特性があるのはご存知でしょうか?

大きく分けてイオン系と非イオン系の殺菌剤があります。

そこで、今回はイオン系の殺菌剤についてご紹介したいと思います。

 

イオン系の殺菌剤は、表面が負に帯電しているバイオフィルムや細菌、歯面や粘膜面に付着することで殺菌作用を発揮します。

また、歯面等に吸着することで殺菌作用を発揮します。

 

今からご紹介する3つの殺菌剤は全て陽イオン性の殺菌剤です。

 

①グルコン酸クロルへキシジン(CHG)

最近の細胞壁に結合することで細胞膜を傷害して抗菌作用を発揮します。グラム陽性菌や陰性菌を含め、広い抗菌性があります。

歯に吸着してプラークの再付着を抑制することが知られており、海外では洗口液として広く使われています。

しかし、日本ではアナフィキラシーショック例が報告されておりますので、

ご使用前にはグルコン酸クロルヘキシジン製品をご使用時にかぶれたことがないか、事前に確認してからのご使用をおすすめいたします。

殺菌効果の持続時間は、7〜12時間といわれております。

副作用として、アナフィキラシーショック、歯の着色、味覚障害や歯石形成などの報告されています。

 

②塩化セチルピリジウム(CPC)

 

溶液中で陽イオンとなる界面活性作用による洗浄効果と細菌の細胞膜を変性させることで殺菌性があります。

毒性や刺激は少なく、歯面に吸着してプラークの再形成を抑制し、歯肉炎の予防に効果があることが報告されています。

殺菌効果の持続時間は、3〜4時間といわれております。

副作用として、過敏症、刺激感が報告されております。

 

③塩化ベンゼトニウム(BTC)

陽イオン界面活性剤として作用し、洗浄効果があります。

口腔細菌に作用してプラーク抑制や歯肉炎の抑制効果やカンジダなどの酵母様真菌に有効です。

殺菌効果の持続時間は、3〜4時間といわれております。

副作用として、過敏症、刺激感が報告されています。

 

セルフケアとして洗口液を取り入れる場合は、このような特性を理解した上で、使い分ける必要があります。

特に、歯ブラシでプラークを除去した後の使用が効果的です。

また、定期的なメインテナンスやクリーニングの効果をより高め、より持続させるために取り入れていただくことも方法の一つです。

 

ご不明な点がございましたら、お気軽にお声掛けくださいませ。

今後とも、皆様のお役に立てるよう努めてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

 

参照:2016 日歯周誌58(2):86-90

歯科衛生士が知っておきたい洗口液の応用

五味 一博先生