
2026年9月28日

「食事中に義歯が浮いてきて、噛むたびにずれてしまう…」そんなストレスをお感じではないでしょうか。義歯が浮く現象は、決してめずらしいことではなく、歯肉の変化・咬み合わせのズレ・義歯の変形という3つの原因が複合的に重なることで起こります。
結論からお伝えすると、義歯の浮きは「放置すると悪化しやすい」状態です。早めに歯科を受診して調整や作り直しを行うことで、食事や会話の快適さを取り戻せる可能性があります。義歯の浮きには段階があり、軽微な浮きであれば調整で対応できるケースもある一方、歯肉の吸収が大きく進んでいる場合は新しい義歯が必要になることもあります(個人差があります)。
入れ歯(義歯)は、歯を失った方の噛む機能や見た目を補う大切な治療法です。しかし、実際に使っているとさまざまな不具合を感じることがあります。特によくご相談いただくお悩みが「義歯が浮く」という問題です。
以下のような症状に心当たりはないでしょうか。
これらは「義歯が浮いている」状態のサインです。義歯の浮きを放置すると、歯肉への負担が偏り、痛みや炎症につながることもあります。また、しっかり噛めないことで消化器官への負担が増えたり、食事の楽しみが減ったりと、生活の質にも影響が出てきます。
「使い続ければそのうちフィットするだろう」と思い、義歯の浮きをそのままにされる方が少なくありません。しかし、これは誤解です。義歯は使い続けるだけでは浮きが改善しません。むしろ、合わない義歯を使い続けることで歯肉が傷つき、歯肉の形が変わってさらにフィットしにくくなる悪循環が生じることがあります。
義歯が浮いてきたと感じたら、早めに歯科を受診して調整してもらうことが大切です。
義歯を作ったときはぴったりフィットしていたのに、時間が経つにつれて浮いてきた――そのような経験をお持ちの方は多いと思います。義歯が浮く原因は大きく3つに分けることができます。
歯を失った後、その部分の顎の骨(歯槽骨)は徐々に吸収されていきます。これは自然な生理現象で避けることができません。歯槽骨が変化すると、その上を覆う歯肉の形も変わります。義歯は製作時の歯肉の形に合わせて作られているため、歯肉・骨の形が変わると義歯との間に隙間が生まれ、浮きの原因になります。個人差はありますが、義歯を装着してから数年で歯肉の形が変わることは珍しくありません。
上下の歯が噛み合う力(咬合力)は、義歯を安定させる重要な要素のひとつです。しかし、残っている天然歯が動いたり、対合する歯が失われたりすると、咬み合わせのバランスが崩れます。咬合のバランスが崩れると、義歯にかかる力が偏り、特定の部分だけが強く押し下げられる・持ち上げられるといった動きが生じ、義歯が浮いたり外れやすくなったりします。咬み合わせの変化は少しずつ進むため、気づきにくいことも多いのが特徴です。
義歯は毎日使う道具であり、長期間使い続けることで素材が変形・劣化することがあります。レジン(合成樹脂)製の床(ベース部分)は吸水性があるため、水分を繰り返し吸って微細な変形が蓄積されることがあります。また、食事の際の強い咬合力や、誤って落とすなどの衝撃によって、わずかにゆがみが生じる場合もあります。変形した義歯は歯肉に均等にフィットしなくなるため、浮きや不安定感を引き起こします。
義歯の安定には、歯肉と義歯の間に広がる唾液の粘着力(吸着力)も大きく関わっています。加齢や薬の副作用などにより唾液の分泌量が減ると、この吸着力が低下し、義歯が浮きやすくなります。また、最初の設計段階での精度不足や、噛む力のバランスを考慮していない義歯は、装着直後から浮きや不安定感が生じやすい傾向があります。

義歯が浮いてきたとき、つい行ってしまいがちな行動が、実は状態を悪化させることがあります。以下の3つには特に注意が必要です。
⚠️ NG①:市販の義歯安定剤に頼り続ける
義歯安定剤は応急処置として使うことが認められていますが、根本的なフィットのズレを解決するものではありません。安定剤を使い続けながら受診を先延ばしにすると、歯肉への圧力が均等にかからなくなり、歯肉の変化が進みやすくなります。
⚠️ NG②:自分で義歯を削ったり曲げたりする
義歯は精密に調整された器具です。ご自身で削ったり形を変えようとすると、咬合バランスが崩れたり、割れる原因になったりすることがあります。調整は必ず歯科医師に依頼してください。
⚠️ NG③:「そのうち治る」と放置する
前述のとおり、義歯は使い続けるだけではフィットが改善しません。浮きを放置すると歯肉や口腔粘膜への炎症リスクが高まります。気になり始めたら早めにご相談ください。
日々のケアも義歯の寿命とフィット感に影響します。就寝前には義歯を外し、専用の洗浄剤につけて保管することで変形を防ぎやすくなります。また、乾燥した状態で保管すると義歯の素材が収縮して変形することがあるため、水または洗浄液に浸けておくことが一般的に推奨されています。定期的に歯科でのチェックを受け、小さなズレを早期に発見・修正することも大切です。
義歯が浮く程度や原因によって、対応できる治療の選択肢が異なります。大きく分けると「調整」「裏打ち(リライン)」「新しい義歯の製作」の3段階があります。
✅ 調整(クラスプ・床の形態修正)のメリット
⚠️ 調整だけでは解決しない場合もある
リライン(裏打ち)とは、義歯の歯肉面(歯肉に接する面)に新しい材料を追加して、現在の歯肉の形に合わせ直す処置です。義歯の外観や咬み合わせをある程度維持しながら、フィット感を改善できるのが特徴です。歯肉の吸収が軽〜中程度の場合に検討されることが多い方法です(適応については歯科医師にご相談ください)。
歯肉の変化が大きく進んでいる場合や、義歯の変形が著しい場合は、新しい義歯を製作することが根本的な解決につながります。てらもと歯科医院では自費の義歯(入れ歯)にも対応しており、費用の目安は以下のとおりです(価格はすべて税込)。
| 治療内容 | 費用目安(税込) |
|---|---|
| 入れ歯(義歯) | 330,000円〜550,000円 |
なお、義歯の浮きに対応する方法として、インプラントを使って義歯を固定する「インプラントオーバーデンチャー」という治療法もあります。インプラントを顎骨に埋入することで義歯のズレ・浮きを大幅に抑えられる可能性があります(個人差があります。全身状態や骨の状態によっては適応とならない場合があります)。
| 治療内容 | 費用目安(税込) |
|---|---|
| インプラント(1本) | 275,000円 |
| 上部構造 | 132,000円〜165,000円 |
費用や適応については患者さんの口腔内の状態によって異なります。まずはお気軽にご相談ください。
愛知県名古屋市東区芳野1-16-5にあるてらもと歯科医院では、「5年後・10年後も自分の歯でしっかり食べられる」ことを大切に、患者さんの長期的なお口の健康を見据えた治療をご提供しています。

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当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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院長・寺本 清峰より
健康寿命を伸ばし、自立した生活を永く送るためには、しっかりと口から食べることが必要です。義歯が浮いていると感じたとき、「年だから仕方ない」「このくらいは我慢しよう」と思わないでください。義歯の不具合は多くの場合、適切な対処で改善が期待できます。名古屋市東区・てらもと歯科医院では、患者さんの5年後・10年後を見据えた治療をご提供しています。何でもお気軽にご相談ください。