2025年9月24日
みなさんこんにちは
歯科助手の可児です
あっという間に9月になり、今年もあと4か月をきりましたね
だいぶ秋らしくなったものの
冷たい飲み物やスカッと炭酸飲料を欲するタイミングもまだまだ多いのではないでしょうか
みなさんは「酸蝕症」という言葉を聞いたことはありますか?
主に食べ物や飲み物の酸によって歯のエナメル質が溶けてしまっている状態を 「酸蝕症」といいます。
そこで今回は
酸で歯が溶ける「酸蝕症(さんしょくしょう)」についてお話しようと思います。
歯の表面はエナメル質という固い組織に覆われています。
エナメル質は人体の中でも最も固い組織で、歯を外部や食品の刺激・食べ物を噛む咬合圧から守る役割を担っています。
普段お口の中は唾液の働きによって中性に保たれていますが、
エナメル質は酸に弱く、酸にさらされると溶け出します(脱灰)。
溶かされたエナメル質は唾液の働きによって修復され元通りになります(再石灰化)。
日中、歯はこの脱灰と再石灰化を繰り返していますが、酸性の飲食物を頻繁に口にすると再石灰化が間に合わず、 エナメル質が溶けていってしまいます。
エナメル質の内側には、象牙質という組織があります。象牙質はエナメル質よりもずっと柔らかい組織なので、エナメル質が破壊された後に酸に触れ続けるとどんどん溶かされてしまいます。
酸蝕症によって歯の破壊が進むと知覚過敏のような症状が出たり、歯が欠けたり擦り減ってしまうこともあります。

≪酸度の高い食べ物・飲み物≫
酸性、アルカリ性の度合いを表す指標としてPH(ペーハー)と呼ばれるものがあります。
PH7が中性で真ん中の直です。
PH7よりも値が大きいとアルカリ性、値が小さいと酸性になります。
酸度の高い食品・飲み物ほど歯を溶かす力が強く、PHの値が小さいほど歯を溶かす力が強いといえます。
例
PH6以上
わかめ、ひじき、こんにゃく、野菜、肉、魚、水、無糖の麦茶や緑茶・烏龍茶、牛乳
pH5.5
紅茶
PH5~4(中度のリスク)
とうもろこし、じゃがいも、にんじん、キャベツ、ビール
PH4~3(中度~高度のリスク)
パイナップル、りんご、食酢、スポーツ飲料水、果汁ジュース、乳酸菌飲料、野菜ジュース
PH3以下(高度のリスク)
胃酸、レモン、コーラ、梅干し、ワイン、酎ハイ
≪酸蝕症の原因になる習慣≫
酸蝕症は酸度の高い食品・飲み物を高頻度に摂取することに加え、酸に歯がより多く晒される摂取の仕方や生活習慣がリスクを高めると言われています。
・長時間かけてのダラダラ食べやチビチビ飲み
・食後すぐに歯を磨かない
・寝る直前の酸度の高い飲食物の摂取
・食酢の習慣的摂取
・運動時スポーツ飲料水を長時間かけて摂取する習慣 など
長時間にわたり酸度の高い食品・飲み物に歯が晒され続けることが、酸蝕症のリスクを格段に引き上げます。
酸度の高い食品を摂取した後は、必ずお水などで口を濯ぐか歯を磨くようにしましょう。

いかがでしたか?
日常生活に身近な酸蝕症ではありますが、上手にケアをしながら飲食を楽しみたいですね!
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。
以上、歯科助手の可児でした。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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