
2026年3月31日
歯がボロボロになってしまうと、日常生活に大きな支障をきたします。
虫歯が進行して歯の大部分が失われている状態や、歯周病によって歯がグラグラしている状態、さらには複数の歯が欠損している状態など、さまざまなケースが考えられます。こうした状態を放置すると、噛む機能が低下するだけでなく、見た目の問題や発音への影響、さらには全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
多くの患者さんが「治療費が高額になるのでは」と不安を抱え、歯科医院への受診をためらってしまうケースも少なくありません。しかし、早期に適切な治療を受けることで、治療期間や費用を抑えることができる場合もあります。
歯科治療には大きく分けて「保険診療」と「自費診療」の2種類があります。
保険診療は、健康保険が適用される治療のことで、患者さんの自己負担は治療費の1割から3割程度です。どこの歯科医院で治療を受けても、同じ治療内容であれば費用は基本的に同じになります。保険診療は、痛みを取る、噛めるようにするといった必要最低限度の治療に限られており、使用できる材料や治療方法、治療にかけられる時間に制限があります。
一方、自費診療は保険が適用されない治療で、治療費は全額自己負担となります。しかし、細かなルールや制限がないため、最善な方法で治療を受けることができます。高性能の材料を使用でき、時間をかけて丁寧に治療を行うことが可能です。耐久性に優れ、汚れがつきにくく、審美性も高い治療を選択できるのが特徴です。
保険診療の治療水準は数十年前のものであり、使用する金属は金属アレルギーを引き起こす可能性のあるものや、諸外国では使用されていない金属が日本の保険治療では今も使用されています。小さな虫歯であれば保険治療でも十分な治療を行うことができますが、大きな虫歯や進行した歯周病では、保険治療では満足のいく治療結果が得られないこともあります。
歯科医院を初めて受診する際には、初診料がかかります。
初診料は厚生労働省の診療報酬の点数によって決まっており、264点(2,640円)です。健康保険の自己負担が3割の方なら792円を窓口で支払うことになります。初診時にはレントゲン撮影などの画像診断、歯周病検査、スケーリング(歯石や歯垢の除去)などを行う場合があるため、治療費は別に合計3,000円から4,000円程度の費用がかかることが一般的です。
虫歯の治療費は、進行段階によって大きく異なります。
初期段階の虫歯では、歯を少し削ってレジンと呼ばれる白い詰め物をする治療で、1,500円から3,000円程度(3割負担の場合)です。治療回数は1日から2日程度で済みます。
中度の虫歯になると、虫歯を削ってから保険の銀の詰め物または自費診療の白い詰め物をする必要があり、2,000円から10,000円程度(3割負担の場合)かかります。1歯に2回の来院が必要です。
神経を抜く治療が必要な場合は、7,000円から20,000円程度(3割負担の場合)かかります。神経を取り除いて歯の根の中をきれいに清掃するために何回か通っていただく必要があります。保険診療でも1歯の治療費に1万円ほどかかってきます。
歯を保存できない重度の虫歯の場合、基本的に歯を抜いてそこを詰める処置をします。無い歯を詰める処置としては入れ歯、ブリッジ、インプラントの選択肢があります。入れ歯とブリッジは保険診療と自費診療を選択できますが、インプラントは自費診療のみとなります。
被せ物の費用は、使用する材料によって大きく異なります。
保険診療では、前歯には前装冠(表面が白い材料で覆われた被せ物)、奥歯には銀歯が一般的です。保険診療の被せ物は、必要最低限度の機能回復を目的としており、審美性や耐久性には限界があります。
自費診療では、さまざまな選択肢があります。メタルボンドは110,000円程度で、金を含む薄い貴金属にセラミックを張り付けて補強したもので、変色がありません。e-maxも110,000円程度で、セラミックだけで作られており、天然の歯に近い透明感・輝きを作り出すことが可能です。ジルコニアは60,000円から110,000円程度で、非常に強度の高い白いセラミックを使用したものです。
入れ歯の費用も、保険診療と自費診療で大きく異なります。
保険診療の部分入れ歯は5,000円から10,000円程度(3割負担の場合)で、型どり、噛み合わせの確認に最低4回以上の来院が必要です。総入れ歯は10,000円から15,000円程度(3割負担の場合)で、顎の形などによっても治療費が大きく異なります。
保険の入れ歯は、やや違和感があり、やや外れやすく、金属の金具が目立つという特徴があります。一方、自費の入れ歯は、違和感が少なく、外れにくく、金属の金具なしまたは金属が目立たない設計が可能です。理想に近い噛み合わせにでき、自然の歯や歯ぐきの色に近く、発音に支障はありません。耐久性も高く、長く使える(平均10年ほど)のが特徴です。

インプラント治療は、失った歯の部分に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。
インプラント治療は自費診療のみとなり、保険は適用されません。費用は歯科医院によって異なりますが、1本あたり数十万円かかることが一般的です。インプラント治療は、隣接する歯を削る必要がなく、天然の歯に近い噛み心地を得られるというメリットがあります。
ただし、外科手術が必要であり、治療期間も数ヶ月から半年以上かかる場合があります。また、顎の骨の状態によっては、インプラント治療ができない場合もあります。インプラント治療を検討する際は、歯科医師とよく相談し、自分の口腔内の状態や予算、治療期間などを総合的に考慮することが大切です。
高額な歯科治療費を一括で支払うのが難しい場合、デンタルローンを利用する方法があります。
デンタルローンは、患者が支払うべき治療費を信販会社が立替払をして、その立替分を患者が分割で信販会社に返済していくものです。信販会社が立替払をした金額は、その患者のその立替払をした年(歯科ローン契約が成立した時)の医療費控除の対象になります。ただし、歯科ローンに係る金利および手数料相当分は医療費控除の対象になりません。
自費診療の費用も、治療の必要性や目的が認められれば医療費控除の対象となります。
医療費控除とは、1年間(1月1日から12月31日)に実際に支払った治療費が10万円を超えた部分が所得控除を受けることができる制度です。自分と生計を同じくする配偶者や親族のために医療費を支払った場合も対象になります。還付される額は、医療費控除額に所得税の税率を掛けた額となり、課税所得額により5%から40%の6段階に区分されています。
噛み合わせを改善し、機能を回復するためのインプラント治療や、顎の噛み合わせの改善や機能的な問題解決が目的で行った矯正治療、セラミックの被せ物で噛み合わせの改善を行った治療などは、医療費控除の対象となります。ただし、ホワイトニングや、見た目の改善のみを目的とした矯正治療や被せ物の治療は対象外です。
医療費控除の申請には、医療機関が発行する領収書、医療費控除の明細書(確定申告書に添付)、保険金や補助金の支払い明細(補填額がある場合)が必要です。通院交通費も控除対象になりますので、公共交通機関を利用した場合は、その交通費の記録を保管しておくようにしましょう。
歯科医院によっては、分割払いやクレジットカード払いに対応しているところもあります。
治療費の支払い方法について、事前に歯科医院に確認しておくことをおすすめします。分割払いの場合、手数料がかかる場合もありますので、総額でいくらになるのかをしっかり確認することが大切です。
てらもと歯科医院では、「できるだけ歯を残す」ことを重視した治療を提供しています。
欧米水準の米国式根管治療を採用しており、保険治療にも対応しながら、再発が少ない精密な根管治療を実践しています。マイクロスコープを使用して患部を拡大しながら処置を行い、肉眼では確認できない細かい部分まで丁寧に治療します。歯科用CTやセファロレントゲンなどの検査機器を備え、立体的な診断により見えにくい炎症の見逃しを防いでいます。
細菌対策にも配慮が徹底されており、治療中に唾液が入り込んで再感染するのを防ぐラバーダムを使用するなど、再発リスクを最小限に抑える工夫がなされています。通常であれば抜歯と診断されるケースでも、歯根端切除術、破折歯牙再植、自家歯牙移植といった複数の選択肢を提示し、できる限り自分の歯を残すための治療法を提案しています。
セカンドオピニオンにも対応しており、現在の治療方針に不安がある患者さんの相談を受け付けています。患者さんの希望や悩みをすべて受け入れる姿勢を掲げ、納得できるまで相談できる環境を整えています。補綴の専門家である院長がすべての治療を担当し、噛める、外れない、目立たない入れ歯やブリッジの提供にも注力しています。

歯がボロボロになる前に、早期に治療を受けることが最も重要です。
虫歯や歯周病は、初期段階であれば保険診療で比較的安価に治療できます。しかし、放置して進行すると、治療回数も増え、費用も高額になります。定期的に歯科検診を受け、早期発見・早期治療を心がけることが、結果的に治療費を抑えることにつながります。
治療後も、定期的なメンテナンスを受けることが大切です。
予防歯科先進国であるスウェーデンやアメリカと比べ、日本では定期検診に歯医者にきちんと通う方がまだまだ少ないのが現実です。歯ブラシの際に出血しても歯科を受診されない方が多くいらっしゃいます。虫歯や歯周病から歯を守るために、一生涯自分の歯で食事をするためには、自分で行う毎日の歯ブラシと歯科医院での定期検診が必要になります。
すべての治療を自費診療にする必要はありません。
小さな虫歯や軽い歯周病なら、保険治療でもそれほど問題ありません。一方で悪化した虫歯や進行した歯周病では、保険治療では満足のいく治療結果が得られないこともあります。予算に制限がある場合でも、症状を悪化させてしまった場合は、なるべく自費診療を選択された方が、患者さんにとってベストな治療を受けられることと思います。
歯科医師とよく相談し、自分の口腔内の状態や予算、治療の目的などを総合的に考慮して、保険診療と自費診療を賢く選択することが大切です。
歯がボロボロな状態の治療費は、治療内容や進行段階によって大きく異なります。
保険診療では必要最低限度の治療を比較的安価に受けることができますが、使用できる材料や治療方法に制限があります。自費診療では高額な費用がかかりますが、最善な方法で治療を受けることができ、耐久性や審美性に優れた治療を選択できます。
お金がない場合でも、デンタルローンや医療費控除を活用することで、治療費の負担を軽減することができます。最も重要なのは、早期発見・早期治療を心がけ、定期的なメンテナンスを受けることです。歯科医師とよく相談し、自分に合った治療方法を選択することで、長く健康な歯を保つことができます。
てらもと歯科医院では、患者さん一人ひとりの状態や希望に合わせて、最良の治療を提案しています。歯の治療でお困りのことがあれば、どんなことでもご相談ください。
お問い合わせ先:てらもと歯科医院
名古屋市東区芳野
名鉄瀬戸線尼ヶ坂駅から徒歩7分
駐車場5台完備
【著者情報】

てらもと歯科医院 院長 寺本 清峰
愛知学院大学歯学部を卒業後、愛知学院大学歯学部附属病院 第一補綴学講座(現 有床義歯学講座)にて研鑽を積む。
あわせて矯正専門医のもとで矯正治療を学び、その後は同講座の非常勤助手を務める。2007年より大府市の松下歯科医院に勤務し、インプラント治療や審美治療の経験を重ね、2012年に「てらもと歯科医院」を開業。
日本顎咬合学会認定医であり、同学会では理事・副支部長も務める。
さらに、日本臨床歯周病学会、日本口腔インプラント学会、日本臨床歯科学会(SJCD)、NOAH(名古屋臨床咬合研究会)などに所属し、幅広い分野で研鑽を続けている。
患者様一人ひとりに合わせた最良の治療の提供を大切にし、お口のお悩みに幅広く対応している。
所属・資格
・日本顎咬合学会 認定医・理事・副支部長
・日本臨床歯周病学会 会員
・日本口腔インプラント学会 会員
・日本臨床歯科学会(SJCD)名古屋支部 専務理事
・NOAH(名古屋臨床咬合研究会)会長
・MIMCD 所属
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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