乳児嚥下について

2024年8月21日

みなさんこんにちは、歯科衛生士の吉田です。

 

みなさんは暑いのは得意ですか?

私は暑いのは嫌いですが、天気の良い日にベランダで洗濯物を干すのが好きなので、天気が良いと少し嬉しさもあります🌞

まだもう少し暑い日が続きそうなので、引き続き熱中症には気を付けましょう!

 

今回は『乳児嚥下』についてお話していきます。

医療の世界では食事を飲み込むことを“嚥下(えんげ)”と呼びます。

 

乳児と成人では口腔の作りの違いから、嚥下の動作も大きく異なるため、乳児の特徴的な嚥下を『乳児嚥下』、離乳をして大人と同じように嚥下することを『成人嚥下』と分類します。

 

最初は生まれながらに備わっている“哺乳反射”によって母乳を飲み、栄養を摂取します。そして、身体の成長や周囲の環境等から食べ物を噛み砕く“咀嚼機能”を身に着け、噛み砕いた食べ物を食塊といわれる塊にして飲み込む“摂食嚥下機能”を身に着けていきます。

 

哺乳反射とは、哺乳に関するいくつかの反射の総称を指していて、次のような反応のことを言います。

 

探索反射:赤ちゃんのお口の周りに触れることで刺激を与えると、その刺激の方向へ顔を向け口を開き、母乳やミルクを飲むために探すような動きのこと

 

捕捉反射(ほそくはんしゃ):口に何かが触れると、唇と舌でそれを咥えようとする動きのこと

 

吸啜反射(きゅうてつはんしゃ):ミルクや指を口で咥えた時に、舌や唇を上手に使い吸う動きのこと

 

これらの反射は生まれた時には備わっているもので、4~6ヵ月頃に消失していきます。

そして、この反射が消失を始める頃が離乳を始めるタイミングとも言われています。

 

歯が生えそろっていない乳児は主に舌を使って食事をします。

口を大きく開いたまま舌を前後に動かして母乳やミルクを飲み込む動きが特徴的で、母親のおっぱいに吸い付き、効率的に授乳が行えるような機能といえます。

 

哺乳反射の減退と歯の萌出、様々な口腔機能の発達に応じて離乳が進みますが、離乳完了後にも乳児嚥下が残ってしまう場合があります。

 

乳児嚥下が残ってしまう要因としては次のようなことが考えられます。

・神経や筋肉系の障害

→神経や筋肉に何らかの疾患があるために、正常な嚥下が困難になってしまうこと

 

・解剖学的な障害

→口唇裂や口蓋裂など先天的な形態異常により、正常な嚥下が困難になってしまうこと

 

・発達の遅れ

→知的発達障害や広汎性発達障害など、全体的な発達の遅れによるもの

 

・環境要因

→正しい姿勢、食具の選択など適切な食事指導が行えず、摂食嚥下を学んでいく環境が整っていない場合のこと。

 

乳児嚥下が残ってしまっている場合には、正しい嚥下が行えず誤嚥して窒息するリスクが高まったり、歯並びが悪くなるなどの影響があります。

 

お子さんがよく食べこぼしをする、飲み込み方に違和感がある、食感のあるものを嫌うなどの症状がありましたら、ぜひ一度ご相談ください。

 

小さい頃からのトレーニングで改善を目指しましょう。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

以上、吉田でした。

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