2020年10月21日
みなさんこんにちは、歯科衛生士の平田です!
暑かったり寒かったりと、気温差が激しく体調を崩しやすい季節ですので気をつけてくださいね!
さて、今回のお話は根面う蝕(こんめんうしょく)についてお話していきます!
みなさんは、『根面う蝕(こんめんうしょく)』を聞いたことがありますか?
根面う蝕(こんめんうしょく)とは、簡単に言うと根面=歯の根っこの部分に発生するむし歯のことを指します。
これは、特に成人の口腔内に発生するむし歯で、別名『大人むし歯』とも呼ばれています。
そう呼ばれる理由は、大人の口腔内によくみられる特徴にあります。
【大人の口腔内に多くみられる特徴】
・被せ物が多い
・歯茎が下がって歯の根っこが露出している
・唾液が減ってしまう など
どの年代にもよくみられるむし歯と何が違うのかというと、むし歯が発生する歯の部位が違うということです。
皆さんが知ってる歯は白いイメージがあると思います。
①部分が、『エナメル質』といいます。歯の表層で、最初から口腔内に露出している部分です。
②象牙質といういわゆる歯の根の部分です。本来は、歯肉の下に隠れています。
普段、口腔内は唾液の力でpH7.0という『中性』の状態を保っています。
しかし、飲食をすると口腔内は一時的にpHが下がり『酸性』に変化します。
むし歯というものは、この酸によって歯が許容範囲を超えて溶けすぎてしまった場合に発生するのですが、
エナメル質は、pH5.5という酸性度まで溶けずに堪えることができます。
一方、象牙質は、pH6.4という弱い酸性度でも溶けてしまうことが分かっています。
つまり、歯の根っこである象牙質は、エナメル質と比較しても酸に非常に弱いのです。
また、上で少し触れましたが、口腔内は『唾液』の力によって中性が保たれています。
成人以降の方、特に高齢者の方には、唾液の量が減ってしまうという傾向が多くみられます。
その為、唾液の力を十分に得ることができず、酸性に傾いた口腔内が中性に戻されにくくなり、余計に根面う歯が発生しやすい環境になってしまうというわけです。
酸に弱いだけではありません。
根面う蝕は、被せ物の下や歯肉の下にできることがあります。
そこは肉眼やレントゲンで見つけ出すことが比較的難しい部位でもある為、歯の表面を探知する器具で触ってようやく見つけ出されるケースもあり、エナメル質に出来るむし歯より発見が遅れてしまうことがあります。
大人の人には被せ物も子供に比べてたくさん入っていますから、大人に出来るわけなんですね。
また、大人の口腔内に発生する世界一かかっている人の多い病気があります!
「歯周病」です。
実は、歯周病かかると歯肉が下がってしまう事があります。
他にも加齢や間違った歯みがき方法を長年繰り返すことでも歯肉は下がります。
これらの理由から、歯肉が下がってしまった部分の歯の根っこは口腔内露出して、根面う蝕になりやすくなってしまうのです。
また根面う蝕は、治しにくいという点があります。
なぜ治しにくいかというと、歯肉の下で発生して場合、歯肉の中で治療は不可能だからです。
被せ物の下にできた場合には、内部で進行が広がって根っこから折れてしまい、最悪の場合は歯を抜かないといけないこともあります。
根面う蝕の怖いところです。
では、どのように予防していけばよいでしょうか?
次のような方法が考えられます。
①フッ素を使う
私のオススメのフッ化物配合の歯磨き粉
↓↓
これは、露出した根面へのアプローチが考えられていて本当にオススメ!
②正しい歯磨き方法
是非歯科医院に聞きに来てください☆
③酸性の強い物、甘い物を控える
どんなものが怖い食べ物飲み物か歯医者に聞きにきてください(笑)☆
④唾液が出るマッサージ
歯科医院に聞きに来てください(笑)☆
また歯科医院では、状況によって根面う蝕の進行止めの薬や予防の高濃度のフッ素を塗ることもあります。
しかし、なによりも歯磨きが1番の予防です!
今までむし歯になったことない方でも根面う蝕になる可能性があるので
自分は大丈夫と思って油断しないよう気をつけてください!
そして、歯科医院に予防をしにご来院くださいね!
最後まで読んで頂きありがとうございました。
以上平田でした。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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