歯科治療と服用しているお薬の関係について

2025年6月4日

みなさんこんにちは。

歯科衛生士の宮本です。

来週の6月7日、8日の土日は東京の国際フォーラムで行われる日本顎咬合学会の学術大会に参加する予定です。

日々の診療に活かせるよう、しっかり勉強してきたいと思います!

そのため7日の土曜日は休診になっておりますので、よろしくお願いいたします。

 

では本題に入りたいと思います。

みなさんは、歯科治療の際に「現在服用しているお薬はありますか?」と聞かれたことはありませんか?

中には「歯とは関係ない薬だけど…」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

実は、服用しているお薬は歯科治療に大きな影響を与えることがあります。

今回は「歯科治療とお薬の関係」について、知っておいていただきたいポイントをお話しします。

 

  • 歯科治療に影響を与える主なお薬

まず、以下のようなお薬は歯科治療において注意が必要です。

  1. 抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)
    心臓病や脳梗塞の予防のために処方される薬で、ワーファリンやアスピリン、DOAC(エリキュース、リクシアナなど)があります。これらを服用している場合、抜歯などの外科処置では出血が止まりにくくなる可能性があります。医科の主治医と連携し、出血リスクを確認したうえで安全に治療を進めます。
  2. 骨粗しょう症の薬(ビスホスホネート製剤など)
    骨粗しょう症やがんの骨転移治療で使われる薬(フォサマック、アレンドロン酸など)は、抜歯後にまれに「あごの骨が壊死する」という合併症を起こすことがあります。服薬歴を必ずお知らせください。
  3. 免疫抑制剤や抗がん剤
    免疫機能が低下していると、口腔内の感染症が重症化しやすくなります。

 

  • 口腔内に影響を与えるお薬もあります

一方で、歯科治療に直接関係しないように見えるお薬でも、お口の中に影響を与えるものがあります。

  1. 降圧薬(高血圧の薬)
    一部の降圧薬(カルシウム拮抗薬など)は「歯ぐきが腫れる」副作用があります。歯みがきがしにくくなり、歯周病が進行しやすくなるため注意が必要です。
  2. 抗うつ薬や抗不安薬、抗ヒスタミン薬など
    これらの薬には「口が乾く(ドライマウス)」副作用があるものがあります。唾液はお口の健康を守る重要な働きをしており、唾液が減ることで虫歯や歯周病、口臭のリスクが高まります。

 

  • お薬手帳をお持ちください

歯科医院では、正確な情報に基づいて安全に治療を行うために、お薬の内容を知ることがとても重要です。

治療中に服薬の影響が出た場合、迅速に対応するためにも、お薬手帳や服用中の薬のリストを必ずご持参ください。

 

  • まとめ

お口の健康は全身の健康と密接に関わっています。

そして、現在服用しているお薬の内容は、歯科治療の安全性に大きく関係しています。

どんな些細なことでも構いませんので、気になることがあれば遠慮なくご相談ください。

安心・安全な歯科治療のためにご協力をお願いいたします。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。

宮本

 

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