2024年6月5日
みなさんこんにちは。
歯科衛生士の宮本です。
先週の5月31日は「世界禁煙デー」だったそうです!
それにちなんで、今日は喫煙が口腔内に及ぼす影響についてお話ししたいと思います。
タバコにはいくつか種類がありますよね。
紙巻きタバコや加熱式タバコ、電子タバコ、葉巻や最近話題の水タバコの他にもいろいろあります。
紙巻きタバコ、加熱式タバコ、電子タバコについて説明していきたいと思います。
〇紙巻きタバコ
刻んだタバコ葉を紙で巻いたものを燃焼させ、発生した煙を吸引します。
この煙にはニコチンなどの有害物質や発がん性物質が多く含まれています。
〇加熱式タバコ
紙巻きタバコとの大きな違いは煙ではなく「水蒸気(エアロゾル)」を吸うことです。
タバコ葉に含ませたグリセリン類によって蒸気を発生させて煙の代替とします。
紙巻きタバコ同様、タバコ葉が用いられますが、直接火をつけるのではなく熱を加えてニコチンを発生させて吸引します。
〇電子タバコ
タバコ葉ではなく、ニコチンなどの入ったリキッド(溶液)を加熱してミスト化させ、その蒸気を吸引するものです。
日本製の電子タバコの場合、紙巻きタバコや加熱式タバコと異なり、ニコチンが含まれていないのが大きな特徴です。
薬事法で日本製の電子タバコにはニコチンを含むことを禁止しています。
しかし、電子タバコによっては健康に影響を及ぼす可能性のあるホルムアルデヒドや、
アセトアルデヒドといった発がん性物質などを発生するものがあるそうです。
それぞれの違いが分かったところで、今度は加熱式タバコについて詳しくみていきます。
もともと紙巻きタバコを使用していた方で、加熱式タバコに変えたという方は多いのではないでしょうか。
加熱式タバコの各メーカーのパンフレットでは、有害成分の量に関して、紙巻きタバコと比べ「約90%低減」と謳われています。
しかし、もともと紙巻きたばこの有害性はかなり強く、環境汚染物質の基準と比べても数10倍~100倍以上です。
各メーカーが主張するように、加熱式タバコの有害性物質が10分の1になっているとしても、
環境基準を安全にクリアできるレベルにさえなっていないということです。有害性成分の減少=有害性の低減ではありません。
また口腔内や身体への影響は紙巻きタバコと同程度と考えられています。
加熱式タバコが広く普及するようになってからまだ日が浅いこともあり、
加熱式タバコに起因する健康障害に関する長期のデータや口腔疾患、口腔がんや歯周病に関するデータはそろっていません。
しかし、虚血性疾患のリスクは、紙巻きタバコの本数が少なくても、受動喫煙であっても急激に上がり、
喫煙のリスクを簡単に下げられないことが分かっています。
つまり、たとえ有害物質が少なくなっていても、健康へのリスクが下がるわけではありません。
さらに、加熱式タバコは煙が出ないため気づきにくいですが、
肉眼では見えない煙が出ており、受動喫煙は起こっています。
加熱式タバコユーザーは、最初に説明したように、ニコチンを含む有害物質などを吸引しますが、
それらすべてを体内で吸収せず呼気に含み、吐き出しています。その呼気煙を周囲が吸い込むことで、
受動喫煙が起こる仕組みは紙巻きタバコと全く変わりません。
ニコチンなど有害成分を含むタバコを吸われている方は、ご自身の趣味や嗜好品として吸われているだけなのかもしれません。
しかし、それがご自身の健康や周りのご家族、不特定多数の人々の健康障害を引き起こす可能性もあることを覚えておいてください。
このブログが禁煙を考えるきっかけになると嬉しいです。
宮本
改編 歯科衛生士 February 2020 Vol.44
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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