
2026年7月8日
みなさんこんにちは。
歯科衛生士の宮本です。
今回は「歯周病と全身疾患の関係」についてお話しします。
歯周病は、歯を支える歯ぐきや骨に炎症が起こる病気です。
日本人の成人の多くがかかっているといわれており、初期には自覚症状が少ないため、気付かないうちに進行してしまうことも少なくありません。
「歯ぐきの病気だから口の中だけの問題」と思われがちですが、近年の研究によって、歯周病は全身の健康にも大きく関わることが分かってきています。
歯周病が全身に影響する仕組み
歯周病になると、歯ぐきに炎症が起こり、歯周病菌や炎症によって作られる物質が血管の中へ入り込みやすくなります。
これらが血流に乗って全身を巡ることで、さまざまな病気の発症や悪化に関与すると考えられています。
つまり、口の中の慢性的な炎症が全身にも影響を及ぼす可能性があるのです。
糖尿病との関係
歯周病と糖尿病は特に深い関係があることで知られています。
糖尿病になると免疫機能が低下し、歯周病が進行しやすくなります。
一方で、歯周病による炎症は血糖値のコントロールを悪化させることが分かっています。
そのため、糖尿病と歯周病はお互いに悪影響を与え合う「相互関係」にあります。
実際に、歯周病治療によって血糖値の改善が期待できるという報告もあります。
心疾患・脳血管疾患との関係
歯周病菌や炎症性物質が血管に影響を与えることで、動脈硬化の進行に関与する可能性が指摘されています。
動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などの重大な病気のリスクが高まります。
もちろん歯周病だけが原因ではありませんが、高血圧や脂質異常症、喫煙などと並んで、全身の健康を考える上で無視できない要素の一つとなっています。
誤嚥性肺炎との関係
高齢者に多い誤嚥性肺炎も、口腔内環境と深い関係があります。
口の中に多くの細菌が存在すると、食べ物や唾液が気管に入った際に細菌も一緒に肺へ入り込み、肺炎を引き起こすことがあります。
歯周病の予防や口腔ケアを行うことで、誤嚥性肺炎の発症リスクを低減できることが知られています。
そのため、高齢者施設や病院でも口腔ケアが重視されています。
妊娠中の方への影響
妊娠中はホルモンバランスの変化によって歯ぐきが腫れやすくなり、歯周病のリスクが高まります。
また、重度の歯周病がある場合、早産や低出生体重児出産との関連が指摘されています。
妊娠を希望される方や妊娠中の方は、定期的な歯科受診によって口腔内の状態を確認し、適切なケアを受けることが大切です。
歯周病予防のためにできること
歯周病予防の基本は毎日のセルフケアです。

特に歯周病は初期段階では痛みがほとんどありません。
そのため、症状がなくても定期的なメンテナンスを受けることが重要です。
まとめ
歯周病は単なる歯ぐきの病気ではなく、糖尿病や心疾患、脳血管疾患、誤嚥性肺炎、さらには妊娠への影響など、全身の健康と深く関わっています。
お口の健康は全身の健康の入り口です。
毎日のケアに加えて定期的な歯科検診を受け、歯周病の早期発見・早期治療を心掛けましょう。
気になる症状がある方や、しばらく歯科検診を受けていない方は、お気軽にご相談ください。
健康な歯と歯ぐきを維持し、生涯にわたって健やかな毎日を送りましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
宮本
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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