親知らずが痛い時は抜歯が必要?受診の目安と治療の流れを徹底解説

2026年5月20日

親知らずが痛い原因は何か?

親知らずの痛みの主な原因は、「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」と呼ばれる歯ぐきの炎症です。親知らずが中途半端に生えていると、歯ぐきとの隙間に細菌が入り込み、腫れや痛みを引き起こします。

一度智歯周囲炎を起こすと、症状が治まった後も細菌感染が残るため、繰り返し腫れや痛みが出やすくなります。重症化すると顎やのどまで炎症が広がり、口が開きにくくなるケースもあります。

親知らずの痛みを引き起こす主な状態

  • 智歯周囲炎:歯ぐきが部分的に被った状態で細菌が繁殖し、炎症が起こる
  • 虫歯:奥に位置するため磨きにくく、気づかないうちに進行しやすい
  • 隣の歯への圧迫:横向きに生えた親知らずが手前の歯を押し、痛みや歯並びの乱れを引き起こす
  • 歯根吸収:埋まった親知らずが隣の歯の根を溶かし、鈍い痛みが出ることがある

現代人の約7割は親知らずが斜めに生えたり埋伏したりしており、正常に生えてくる人は3割程度とされています。歯が正常に生えないと清掃できない部位が生まれ、トラブルの温床になります。

親知らずは必ず抜歯しなければならないのか?

親知らずは必ずしも抜歯しなければならないわけではありません。上下で正常に噛み合い、ブラッシングも十分できている場合は、経過観察で問題ないケースも多いです。

「痛みや腫れなどの症状があり、今後のトラブルの原因となりうる場合には抜歯が望ましい」とされています。抜歯の判断は、現在の症状だけでなく将来のリスクも含めて総合的に行うことが重要です。

抜歯が推奨されるケース

  • 智歯周囲炎を繰り返している:一度炎症を起こすと再発しやすく、隣の歯を支える骨が溶けるリスクもある
  • 親知らずが虫歯になっている:奥すぎて治療器具が届きにくく、治療後も再発しやすいため抜歯が合理的
  • 隣の歯(第二大臼歯)が虫歯になっている:親知らずを残すと第二大臼歯の状態がさらに悪化するリスクがある
  • 横向きに埋まって歯並びに影響している:手前の歯を後ろから押し、歯列全体が乱れる原因になる
  • 歯ぐきや頬の粘膜を繰り返し傷つけている:噛み合う相手がない親知らずが伸び続け、粘膜に接触する

抜歯しなくてよいケース・慎重に判断すべきケース

  • まっすぐ生えて噛み合っている:ブラッシングができていれば経過観察でよい場合が多い
  • 将来の入れ歯・ブリッジの土台になれる:健康な親知らずは移植用の歯として活用できる可能性がある
  • 神経に非常に近い:下顎の親知らずが下歯槽神経に近接している場合、抜歯後に唇のしびれが残るリスクがある
  • 全身疾患がある:不整脈・糖尿病・骨粗しょう症などがある場合は、抜歯前に内科との連携が必要

てらもと歯科医院では、すべての親知らずを一律に抜歯することはせず、将来性も含めた慎重な判断を行っています。「抜く・残す」を丁寧に相談できる体制が整っています。

受診のタイミングはいつが適切か?

親知らずの痛みや腫れが出たら、できるだけ早めに歯科医院を受診することが大切です。痛みが強い場合でも、炎症が強い状態では当日すぐに抜歯できないことが多く、まず消炎処置を行ってから抜歯日を設定するのが一般的な流れです。

すぐに受診すべき症状

  • ズキズキとした強い痛みが続く
  • 歯ぐきや頬が大きく腫れている
  • 口が開きにくくなっている
  • 飲み込む時に痛みがある
  • 発熱を伴っている

受診前の応急処置

受診までの間、以下の応急処置で症状を和らげることができます。

  • 市販の痛み止め:痛みの緩和に有効。ただし炎症の根本原因(細菌)には効かないため、早めの受診が必要
  • 殺菌うがい薬:細菌の蓄積を減らし、炎症を軽減する効果が期待できる
  • やさしいブラッシング:タフトブラシなど先の細い歯ブラシで親知らず周辺をそっと磨く

痛み止めは痛みの緩和には有効ですが、細菌による炎症が原因の場合は抗菌薬の服用が必要なため、痛みが改善しない場合は早めの受診が推奨されています。

親知らずの抜歯にかかる費用はどのくらいか?

親知らずの抜歯は治療目的の場合、基本的に健康保険が適用されます。3割負担の場合の目安は以下の通りです

  • 簡単な抜歯(まっすぐ生えている場合):初診料・レントゲン込みで3,000〜5,000円程度、抜歯のみで1,500円程度
  • 難抜歯(横向き・埋まっている場合):初診料・CT撮影込みで7,000〜10,000円程度、抜歯のみで3,000〜5,000円程度
  • 完全埋伏歯の抜歯:初診料・CT撮影込みで10,000〜15,000円程度、抜歯のみで5,000〜8,000円程度

なお、CGF治療など自由診療の選択肢を加える場合は別途費用が発生します。実際の費用は歯科医院によって異なるため、受診前に確認することをおすすめします。

親知らずの抜歯の流れはどうなっているか?

親知らずの抜歯は、初診から抜糸まで通常3〜4回の通院が目安です。炎症がある場合はまず消炎処置を行い、落ち着いてから抜歯を行います。

  • 初診・検査:問診・触診・レントゲン撮影(必要に応じてCT撮影)を行い、親知らずの状態を詳しく把握する。炎症がある場合は洗浄・消毒と抗生剤の処方を行う
  • 抜歯計画の説明:検査結果をもとに、抜歯の必要性・リスク・方法について丁寧に説明する
  • 抜歯処置:表面麻酔→局所麻酔(必要に応じて伝達麻酔)の順で麻酔を行い、抜歯する。普通抜歯は30分程度、埋まった親知らずは1時間ほどが目安
  • 抜歯翌日の消毒・確認:抜歯した部位の消毒と治癒の確認を行う
  • 抜糸:抜歯後約1週間で抜糸を行い、治療終了

神経に近い場合の特殊な対応

下顎の親知らずが下歯槽神経に近接している場合、通常の抜歯では術後に唇のしびれが残るリスクがあります。このような難症例では、以下の方法が選択されることがあります。

  • 2回法:1回目に親知らずの頭部だけを抜去し、3〜8か月後に根が神経から離れてから残りを抜く方法。神経麻痺のリスクを大幅に下げられる
  • コロネクトミー:頭部だけを取り除き、根はそのまま残す方法。手術が1回で済み、神経麻痺リスクが低い

てらもと歯科医院では歯科用CTを導入しており、親知らずと神経・血管の位置関係を立体的に確認したうえで治療計画を立てています。他院で「大学病院を紹介する」と言われたケースでも相談できる体制が整っています。

抜歯後の痛みや腫れはどのくらい続くか?

抜歯後の痛みは当日〜翌日がピークで、処方された痛み止めを服用することでコントロールできます。腫れは抜歯後2〜3日後をピークに、10日ほどで治まるのが一般的です

回復の目安(日数別)

  • 当日:麻酔が切れると痛みが出始める。ガーゼを30分ほど噛んで圧迫止血を行う
  • 1〜2日目:痛みと腫れのピーク。処方薬を指示通りに服用する
  • 3〜4日目:腫れが徐々に引き始める。食事は柔らかいものを選ぶ
  • 1週間後:抜糸。痛みはほぼ落ち着いている状態が多い
  • 2週間〜1か月:歯ぐきの傷が完全に閉じ、日常生活に支障がなくなる

CGF治療で回復を促進できるか?

てらもと歯科医院では、抜歯後のケアとしてCGF(Concentrated Growth Factors)治療に対応しています。CGFとは、患者自身の血液から抽出した成長因子を濃縮したもので、傷の回復や組織再生を促す再生療法です。

  • 腫れや痛みの軽減:炎症を抑え、回復を早める効果が期待できる
  • 傷の治りの促進:組織再生を促すことで、抜歯後の穴が早く閉じる
  • 感染リスクの低減:自己血液由来のため拒絶反応がなく、感染リスクを下げる

接客業・営業職など人前に出る機会が多い方や、抜歯後の腫れが心配な方にとって、CGF治療は心強い選択肢です。

痛みを抑えた抜歯のために何ができるか?

抜歯の痛みを最小限に抑えるためには、麻酔の質と技術が重要です。てらもと歯科医院では、通常の局所麻酔に加えて「伝達麻酔」にも対応しています。

伝達麻酔は、神経の根元に麻酔薬を作用させることで、広範囲にしっかり効かせる方法です。奥歯の抜歯時に特に有効で、通常の局所麻酔では効きにくいケースでも十分な麻酔効果が期待できます。

痛みを抑えるための手順

  • 表面麻酔:麻酔薬を染み込ませた綿を歯ぐきに置き、注射針の刺入時の痛みを軽減する
  • 局所麻酔:細い針でゆっくり麻酔薬を注入。麻酔液の温度を体温に近づけることで痛みを抑える工夫も可能
  • 伝達麻酔(必要に応じて):神経そのものに作用させ、広範囲にしっかり効かせる

妊娠前に親知らずを治療すべき理由は何か?

妊娠中はホルモンバランスの変化により、歯ぐきが炎症を起こしやすくなります。親知らずが中途半端に生えている場合、妊娠中に急に痛み出すケースは少なくありません。

しかし妊娠中の治療では、以下の点で制限が生じます。

  • レントゲン撮影:被ばくへの不安から、特に妊娠初期は避けることが多い
  • 麻酔薬の使用:胎児への影響を考慮し、使用できる薬剤が限られる
  • 抗生剤・痛み止め:服用できる薬が限定される

てらもと歯科医院では、妊娠前の親知らず治療を強く推奨しています。将来的なライフイベントまで見据えて相談できる点は、患者目線の医院姿勢が感じられるポイントです。妊娠を考えている方は、早めに親知らずの状態を確認しておくことをおすすめします。

他院で断られた難症例でも対応できるか?

親知らずの抜歯は、生え方や神経との位置関係によって難易度が大きく異なります。他院で「大学病院を紹介する」と言われた場合でも、てらもと歯科医院では相談できる体制が整っています。

難症例への対応を可能にしているのが、歯科用CTの導入です。従来の2次元レントゲンでは把握しきれなかった、親知らずの位置・骨の状態・神経との距離を立体的に確認できます。これにより、安全性の高い治療計画を立てることが可能です。

難症例の主な種類

  • 完全埋伏歯:親知らずが骨の中に完全に埋まっており、骨削除が必要なケース
  • 神経に近接している:下歯槽神経と親知らずの距離が非常に近く、神経麻痺リスクが高いケース
  • 歯根が複雑な形状:根が複数に分かれていたり、曲がっていたりして抜きにくいケース
  • 上顎洞に近い上顎の親知らず:抜歯後に上顎洞と口腔が交通するリスクがあるケース

院長の寺本清峰は、愛知学院大学歯学部附属病院での専科研修を経て、インプラント・審美治療・口腔外科など幅広い経験を積んでいます。日本顎咬合学会認定医・理事として、難症例にも柔軟に対応できる技術と知識を持っています。

名古屋市東区で親知らずの痛みや腫れにお悩みの方、他院で難しいと言われた方は、ぜひてらもと歯科医院にご相談ください。歯科用CT・伝達麻酔・CGF治療を組み合わせた、患者様一人ひとりに合わせた親知らず治療を提供しています。尼ヶ坂駅から徒歩5分、名古屋市東区芳野にあります。

よくある質問

親知らずが痛い時、すぐに抜歯してもらえますか?

炎症がある状態では当日すぐの抜歯は行わないのが一般的です。まず消炎処置(洗浄・消毒・抗生剤処方)を行い、腫れや炎症が落ち着いてから抜歯日を設定します。

親知らずの抜歯は保険適用になりますか?

治療目的の抜歯は基本的に健康保険が適用されます。3割負担の場合、簡単な抜歯で3,000〜5,000円、難抜歯で7,000〜15,000円程度が目安です。CGF治療など自由診療は別途費用がかかります。

親知らずを放置するとどうなりますか?

智歯周囲炎を繰り返し、隣の歯の骨が溶けるリスクがあります。また、虫歯・歯周病・歯並びの悪化・顎の腫れなど、放置するほど問題が複雑になる可能性があります。

抜歯後の腫れはどのくらい続きますか?

腫れは抜歯後2〜3日後がピークで、10日ほどで治まるのが一般的です。下顎の難抜歯では腫れが強く出やすい傾向があります。CGF治療を併用することで腫れの軽減が期待できます。

伝達麻酔とは何ですか?通常の麻酔と何が違いますか?

伝達麻酔は神経の根元に麻酔薬を作用させる方法で、広範囲にしっかり効かせることができます。通常の局所麻酔では効きにくい奥歯の抜歯時に特に有効で、痛みを大幅に軽減できます。

妊娠中に親知らずが痛くなったらどうすればよいですか?

妊娠中は使用できる薬や処置が限られるため、できる範囲での応急処置にとどまることが多いです。妊娠前に親知らずの状態を確認・治療しておくことが最善策です。

歯科用CTは何のために使うのですか?

歯科用CTは親知らずの位置・骨の状態・神経や血管との距離を立体的に確認するために使います。特に下顎の難症例では、CTなしでは把握できないリスクを事前に特定し、安全な治療計画を立てることができます。

CGF治療とはどのような治療ですか?

CGFは患者自身の血液から抽出した成長因子を使った再生療法です。抜歯後の傷の回復促進・腫れや痛みの軽減・感染リスクの低減が期待でき、自己血液由来のため安全性が高いです。

他院で大学病院を勧められた場合、てらもと歯科医院でも診てもらえますか?

はい、相談可能です。てらもと歯科医院では歯科用CTによる精密診断と難症例への対応体制が整っており、他院で断られたケースでも治療できる場合があります。まずはご相談ください。

親知らずは全部抜いた方がよいですか?

すべての親知らずを一律に抜く必要はありません。まっすぐ生えて噛み合っている場合や、将来的に移植・ブリッジの土台として使える可能性がある場合は、残すことを検討します。現在の状態と将来性を含めて歯科医師と相談することが大切です。

まとめ

親知らずの痛みがあっても、すべてのケースで抜歯が必要なわけではありません。智歯周囲炎の繰り返し・横向きの埋伏・隣の歯への悪影響がある場合は早期抜歯が推奨されます。一方、正常に噛み合っている場合や将来の活用が見込める場合は残す選択肢もあります。歯科用CTによる精密診断・伝達麻酔・CGF治療を組み合わせることで、痛みを抑えた安全な抜歯が可能です。まずは専門医に相談し、抜く・残すを含めた最善の治療計画を立てることが重要です。

 

【著者情報】

寺本 清峰

経歴

2004年 愛知学院歯学部 卒業
愛知学院大学歯学部附属病院 第一補綴学講座(現 有床義歯学講座)専科専攻生
2004年 合わせて、矯正専門医にて研修し、矯正治療を学ぶ
2006年 同講座 非常勤助手
2007年 大府市 松下歯科医院に勤務し、インプラント治療や審美治療を学ぶ
2012年 「てらもと歯科医院」開業

資格・所属学会・団体

  • 日本顎咬合学会 認定医 理事 副支部長
  • 日本臨床歯周病学会 会員
  • 日本口腔インプラント学会 会員
  • 日本臨床歯科学会(SJCD) 名古屋支部専務理事
  • NOAH(名古屋臨床咬合研究会) 会長
  • MIMCD 所属

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