2025年10月10日
みなさんこんにちは。
歯科衛生士の宮本です。
だんだん過ごしやすい気候になってきましたね。
今回は、「口腔乾燥(ドライマウス)」について取り上げたいと思います。
「なんだか口が乾く」「話しているとすぐ喉が渇く」「夜中に水を飲みに起きる」
…そんなお悩みはありませんか?
実はこの“口の渇き”は、年齢や体調、服薬、ストレスなど、
さまざまな要因によって引き起こされる「口腔乾燥症」のサインかもしれません。
そして、それはお口の健康にとって見過ごせない問題でもあります。

口腔乾燥とは、唾液の分泌量が減ることによってお口の中が乾いた状態のことをいいます。
唾液には、食べ物をスムーズに飲み込む手助けをしたり、細菌の繁殖を防ぐ抗菌作用があります。
そのため、唾液が少なくなると様々なトラブルの原因となるのです。
「ちょっと乾いてるだけでしょ?」と思われるかもしれませんが、
実際には以下のようなさまざまな影響があります。
むし歯・歯周病のリスク増加
唾液には、虫歯菌や歯周病菌の繁殖を抑える働きがあります。
乾燥することで細菌が増え、むし歯や歯茎の腫れ、出血が起こりやすくなります。
口臭が強くなる
唾液が少なくなると、口の中の汚れが洗い流されずに残り、口臭の原因に。
特に朝起きたときの強い口臭が気になる方は要注意です。
舌や粘膜の痛み・ひび割れ
乾燥が進むと、舌がヒリヒリしたり、粘膜が切れて痛むことがあります。
味覚異常を感じる方も少なくありません。
話しづらさ・飲み込みにくさ
唾液が少ないと滑りが悪くなり、会話や食事がスムーズにできなくなることも。
特に高齢の方では誤嚥にもつながることがあります。
口腔乾燥の原因はさまざまですが、主なものは以下の通りです。
加齢:年齢とともに唾液の分泌量が減少します。
薬の副作用:降圧剤、抗うつ薬、抗アレルギー薬など、数百種類以上の薬が唾液分泌を抑える可能性があります。
ストレスや緊張:自律神経のバランスが乱れると、唾液の分泌が減ることがあります。
口呼吸:アレルギーや鼻づまりのある方に多く、睡眠中の乾燥につながります。
糖尿病やシェーグレン症候群などの疾患:内科的な病気が関係していることもあります。
対策としては:
こまめな水分補給(少量ずつ)
口の中を潤す保湿ジェルやスプレーの使用
ガムやタブレットで唾液の分泌を促す(キシリトール入りがおすすめ)
よく噛んで食べる習慣をつける
就寝時の口呼吸対策(鼻呼吸テープや加湿器の活用)
唾液腺マッサージや舌のトレーニングなど
また、原因が薬や病気に関係している場合は、医科との連携も必要になることがあります。
お口の乾燥は、単なる不快感だけでなく、むし歯や歯周病、口臭、誤嚥性肺炎などさまざまなリスクに関わってくる問題です。
「年のせいだから仕方ない」と思わず、少しでも気になる症状がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
宮本
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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