
2026年6月26日
「歯周病の治療が終わったら、すぐインプラントできますか?」
歯周病で歯を失った方、または歯周病と診断されながらインプラントを希望されている方から、こうしたご質問をよくいただきます。結論からお伝えすると、歯周病治療後にインプラントを行うことは可能です。ただし、「いつでもすぐにできる」わけではなく、歯周病が十分に落ち着いていると判断できる臨床的な条件を満たすことが大切です。
歯周病の治療を続けながら、「歯を失った部分をどうにかしたい」「インプラントにしたいけれど、歯周病があると無理なのでは?」と不安を感じていらっしゃる方は少なくありません。
「歯科医院でインプラントを相談したら、歯周病があるので対応できないと言われた」「歯周病の担当医とインプラントの担当医が別々で、どちらに相談すれば良いかわからない」——そうした声もよく耳にします。
たらい回しのように感じてしまう経験は、患者さんにとって大きなストレスです。歯周病とインプラントを一貫して診られる環境があれば、こうした不安はずいぶん軽くなるはずです。
また、「歯周病の治療が終わったと言われたけれど、本当にインプラントして大丈夫なのだろうか」という疑問も自然です。歯周病が再燃した状態でインプラントを埋入すると、のちに「インプラント周囲炎」というトラブルにつながるリスクがあるため、タイミングの見極めが非常に重要になります。
このページでは、愛知県名古屋市東区芳野1-16-5にあるてらもと歯科医院の院長・寺本 清峰が、歯周病治療後のインプラントについて、患者さんにとってわかりやすい言葉で丁寧に解説します。
歯周病とは、歯と歯ぐきの境目(歯周ポケット)に細菌が繁殖し、歯を支えている骨(歯槽骨)や歯肉が徐々に破壊されていく病気です。進行すると歯がぐらつき、最終的には歯を失うことにもつながります。
インプラントは、この歯槽骨に人工の歯根を埋め込む治療法です。つまり、インプラントと歯周病は「骨」という共通点で密接に関係しています。歯周病で骨が失われていたり、炎症が残っていたりする状態では、インプラントが骨にしっかりと結合しにくくなります。
「インプラント周囲炎」とは、インプラントの周囲に炎症が起き、骨が失われていく状態です。歯周病と非常に似たメカニズムで進行します。
歯周病を引き起こす細菌はお口全体に存在するため、歯周病が活動中の状態でインプラントを行うと、インプラント周囲炎のリスクが高まると考えられています。せっかく入れたインプラントを長持ちさせるためにも、歯周病の状態をしっかり管理することが欠かせません。
歯科医院で「歯周病の治療が終わりましたよ」と言われると、「もうインプラントできる!」と思う方も多いのですが、これは少し早合点かもしれません。歯周病治療には「治療フェーズ」と「安定フェーズ(メインテナンス)」があり、治療が一段落してもすぐに骨が回復するわけではありません。
炎症が落ち着き、骨の状態が安定したことを確認してからインプラントの計画を立てることが、長期的な成功につながる重要なステップです。
歯周病は歯槽骨を破壊する病気であり、インプラントは歯槽骨に埋め込む治療です。炎症が残ったままインプラントを行うと、インプラント周囲炎を招くリスクがあります。歯周病の状態をきちんと整えてからインプラントに進むことが、長持ちさせるための基本です。
歯周病治療が一段落しても、お口の環境が安定するまでには時間が必要です。定期的なメインテナンスを続けながら、炎症が再発していないか、骨の状態はどうかを継続的に確認することが大切です。
歯周病担当とインプラント担当が別々の医院だと、情報の共有が不十分になりがちです。同一の歯科医師が歯周病の治療経過を把握した上でインプラントの計画を立てることで、より精度の高い治療計画が期待できます。
歯科医師や歯科衛生士が細い器具(プローブ)を歯と歯ぐきの間に入れて測定するのが「プロービング値(歯周ポケット深さ)」です。健康な状態では1〜3mm程度ですが、歯周病が進行するとこの数値が深くなります。
インプラントを検討する前の目安として、多くのポケットが3mm以下に改善されていることが一つの指標になります(個人差があります)。歯周病が活動している深いポケットが残っている段階では、インプラントへ進むタイミングとはいえません。
プロービング時に歯ぐきから出血があるかどうかを「BOP(Bleeding on Probing)」と呼びます。出血がある部位は、まだ歯ぐきに炎症が残っているサインです。
BOP陽性の割合が十分に低下し、出血が少ない状態であることが、歯周病の安定を示す重要な目安の一つです(個人差があります)。出血が多い状態でインプラントに進むことは、リスクを高める要因となります。
歯周病で骨が溶けていた場合、インプラントを埋め込むために必要な骨の量(高さ・幅)が十分かどうかの確認が欠かせません。レントゲンやCT(三次元画像)を用いた精密検査で、骨の現状を詳しく評価します。
骨が足りない場合は「骨造成(こつぞうせい)」と呼ばれる骨を増やす処置が必要になることがあります。骨造成は歯周病の炎症が落ち着いてから行うのが原則です。骨造成後、骨が成熟するまでにさらに数ヶ月の待機期間が必要になる場合があります(個人差があります)。
インプラントを長持ちさせるためには、患者さん自身の毎日のブラッシングが欠かせません。歯周病治療の過程でブラッシング指導を受け、プラーク(歯垢)をしっかりコントロールできる習慣が身についているかも重要な判断基準です。
セルフケアが不十分なままインプラントを行うと、インプラント周囲炎のリスクが高まります。歯周病治療を通じて正しいケア習慣を身につけることが、インプラント後の長期的な安定にもつながります。
⚠ ご注意ください
歯周病の治療期間やインプラントが可能になるタイミングは、歯周病の進行度・骨の状態・全身疾患の有無などによって大きく異なります。「〇ヶ月で必ずインプラントできる」というものではなく、定期的な検査で状態を確認しながら段階的に進めることが重要です。まずは担当歯科医師への相談をおすすめします。
まずはお口全体の状態を把握することからスタートします。歯周ポケットの深さ・出血の有無・レントゲン・CTによる骨の状態・咬み合わせなどを総合的に検査します。名古屋市東区芳野1-16-5にあるてらもと歯科医院では、補綴学(かぶせ物・入れ歯)・歯周病・インプラントを学んだ院長が一貫して診るため、治療の全体像を最初から整理した上でご説明することができます。
歯石の除去(スケーリング・ルートプレーニング)やブラッシング指導を行い、歯周病の原因となる細菌の数を減らし、炎症を落ち着かせます。この段階で、定期的に歯周ポケットや出血の状態を再評価しながら治療を進めます。
歯周病の重症度によっては、外科的な処置(フラップ手術など)が必要になる場合もあります。治療の方針については、患者さんに十分な説明を行った上で、ご納得いただいてから進めます。
歯周病治療がひと段落したら、改めてお口全体の状態を再評価します。歯周ポケット・出血・骨の状態などを確認し、インプラントに進むための条件が整っているかどうかを判断します。
骨の量が不足している場合は、この段階で骨造成の必要性についてご説明します。骨造成を行う場合は、造成した骨が定着するまでの待機期間(目安として数ヶ月程度、個人差があります)を設けた後にインプラント埋入を計画します。
歯周病の状態と骨の状態が安定したことを確認した上で、インプラントの埋入手術を行います。インプラントが骨と結合するまでの期間(オッセオインテグレーション)を経た後、上部構造(歯の部分)を取り付けて治療が完了します。
てらもと歯科医院のインプラント料金は、インプラント体(埋入部分)が275,000円、上部構造(被せ物)が132,000円〜165,000円となっています。詳しいお見積もりは検査の後にご説明しています。
インプラント装着後も、定期的なメインテナンスが欠かせません。歯周病の既往がある方は特に、インプラント周囲炎の予防のため、歯周病のモニタリングを並行して続けることが重要です。てらもと歯科医院では、インプラントと歯周管理を一体的に行うメインテナンスをご提案しています。
✅ 一貫診療のメリット
⚠ 注意が必要な点
この記事のまとめ
「今の自分の歯周病の状態でインプラントはできるの?」「どのくらいの期間がかかるの?」——そんな疑問に、院長・寺本 清峰が丁寧にお答えします。治療を強引に進めることはありませんので、まずはお気軽にご相談ください。愛知県名古屋市東区芳野1-16-5、「尼ケ坂」駅から徒歩8分です。
【診療時間】月〜水・金土:9:00〜12:30 / 14:00〜19:00 水曜午後:14:00〜18:00 休診日:木・日・祝
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。
⚕ 院長・寺本 清峰からのコメント
“歯周病を持つ方へのインプラント治療は、単に「歯を入れる」だけでは終わりません。歯周病の管理が長期的にできるかどうかが、インプラントの寿命を大きく左右します。私は愛知学院大学での補綴の学び、矯正専門医での研鑽、そしてインプラント専門医院での経験を経て、この医院を開業しました。患者さんの口腔内を「5年後・10年後にどうあってほしいか」という視点から治療を設計することを大切にしています。歯周病とインプラントを切り離して考えるのではなく、お口全体の健康という大きな目標に向けて、一緒に取り組んでいきましょう。”